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2024/04/15 イラン情勢

医学や北陸医大時代の思い出を書きたいところであるが、中東情勢が緊迫しているので、本日はそちらの話をしよう。

朝日新聞などの報道によると4 月 13 日夜から 14 日未明にかけて、イランがイスラエルに対しミサイル等を用いた攻撃を行ったらしい。イスラエル軍が迎撃し、実際にはほとんど損害は出なかったようである。これに対し日本の内閣総理大臣が「こうしたエスカレーションを強く非難する」と述べたりEU 諸国も非難声明を出すなど少なくともいわゆる西側諸国では、イランを責める意見が主流のようである。

まるでイランが紛争を煽っているかのような論調であるが、それはあまりに不公正な批判である。イランの在シリア大使館を攻撃することによって挑発したのはイスラエルである。それに対してはほとんど非難もせず黙認しておきながら、イランによる反撃には猛反発する西側諸国の態度は、厚顔無恥である。非難するならば、双方を等しく非難し、相互の自制を求めるべきである。

以前にも書いたが、イスラエル軍によるパレスチナ自治区侵攻についても同様の偏った批判が日本では目立つ。ハマスによるイスラエルへの攻撃に端を発する紛争、などとする論説がみられるが、それはイスラエルが建国を宣言して以来、継続的に行ってきたパレスチナ弾圧の歴史を無視した不正な批判である。ハマスがイスラエルで民間人に対する虐殺や性犯罪を行った、として激しく批判する人もいる。おそらく、そうした犯罪があったのは事実であろうし、それは非難されるべきであるが、一方で、どうしてイスラエルがパレスチナ人に対して行う虐殺や性犯罪は問題にしないのか。どうして諸君は、イスラエル人を自分達と同格の人間として扱う一方で、パレスチナ人を野蛮で獰猛な獣であるかのように扱うのか。どうして諸君は、かつてスペイン人やポルトガル人が世界中で行った非道な振舞いを真似しようとするのか。


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