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ベンチマークついでに PC 自作情報も少し書いておく。費用対効果に優れた、いわゆるミドルレンジの GPU として AMD Radeon RX 9060 XT が発売されたのは今年の 6 月であるらしい。おおよそ NVIDIA GeForce RTX 4060 と同程度の性能だが、ビデオメモリ 16 GB モデルの存在などにより人気のようである。
私は Hanoi と Dublin に、この Radeon RX 9060 XT を搭載した。Hanoi はASUS Prime Radeon RX 9060 XT 16GB GDDR6 OC Edition,Dublin は玄人志向 RD-RX9060XT-E16GB/DF である。前者の選定理由は「私が ASUS 派だから」というだけのことである。Dublin も同製品を搭載したかったのだが、設置場所の都合で採用したSilverstone SG11ケースの仕様に「グラフィックスカードの幅制限 113 mm」とあるため、幅 126 mm の ASUS 製品は積めないように思われたからである。これに対し玄人志向の製品は小型で幅 109 mm であるため、問題なさそうであった。
この ASUS 製品と玄人志向製品の最大の相違点はファンの数である。ASUS の方は 3 ファンであるのに対し玄人志向は 2 ファンである。当然、この差は冷却能力の差に直結するであろうが、2 ファンの玄人志向製品でも冷却能力は充分である、というようなレビューをみかけたし、SG11 より大型のケースを採用することも難しかったので、この構成に決めた。
実際に組んで全力の PyTorch-ROCm 並列計算を行ってみると、両者の間には顕著な差がみられた。GPU 100% 使用しながら rocm-smi で温度を確認すると、Helsinki の ASUS 製品は 46度 程度であるのに対し、Dublin の玄人志向製品は 75度 程度であった。また Dublin のケースは、ビデオカード周辺が非常に熱くなっていた。
一応、動作に問題はない程度ではあるが、Dublin の冷却が足りていないように思われる。SG11 には、グラフィックカードの上に追加で 80 mm のケースファンを搭載スロットがあるのだが、私は使っていない。というのも、このケースはエアフローが乱雑で、ここにファンを付けても効果が乏しいように思われたからである。なおこのケースの排気性能不足は他の人も指摘しているようである。とはいえ、micro ATX マザーボード搭載可能で小型なケースとしては優秀なので、諸君が背の低い GPU 搭載 PC を組みたい時には検討されるとよい。