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朝日新聞に共生の鍵は祭り? アフリカの少年が日本で漫画家になって考えたことという有料記事が掲載されていた。アフリカ諸国はいずれも人口増加が続いており、外国への移民も多く、世界的に存在感が増している、というような内容である。記事では出入国在留管理庁の統計を紹介しており、それによると2024 年末時点での在日アフリカ人は 23,788 人であり、10 年前のほぼ二倍であるという。
ここまで読んでいただければわかると思うが、はなはだ無思慮な記事である。アフリカ人、とは、いったい、どういうことなのか。
たとえば諸君がヨーロッパに旅行したとする。思慮の浅い現地人が、日本人も朝鮮人も中国人も区別せずに「アジア人」と認識して「ニーハオ」などと諸君に挨拶したとしよう。諸君は、どう感じるだろうか。さらにいえば、日朝中だけでなくインド、イラク、トルクメニスタン、ベトナム、その他の国々を「アジア人」と一括した上で「アジア人の移民が云々」などと議論されたら、諸君は何を思うであろうか。
いうまでもなくアフリカは広大である。エジプトやモロッコをはじめとする北アフリカと、ナイジェリアのような西アフリカ、エチオピアやケニアなどの東アフリカ、さらに南方の南アフリカ共和国など、アフリカは民族も宗教も言語も多様な人々が構成する大陸である。日本とバングラデシュが異なるのと同じぐらい、モロッコとコンゴの文化・社会・経済は異なるのである。これを「アフリカ人」と括って論じるのは、アフリカ諸民族に対する関心が乏しい証左である。
書いている途中で、何とも思わなかったのか。