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既に同じようなことを何度か日記に書いたが、何度でも書こう。これは人類の尊厳を侵犯する蛮族との戦いであり、文筆家である私にとって最大の武器は文章だからである。
朝日新聞のイスラエル・パレスチナ問題特集ページは「イスラム組織ハマスが 2023 年 10 月 7 日、イスラエルに大規模攻撃を行いました。」という記載から始まっている。それまで 75 年間にわたり、イスラエルと称する武装勢力はパレスチナ人の住居をブルドーザーで破壊し住民を轢殺し、工場や行政施設および報道機関を空爆し、抗議する民間人を戦車で駆逐し、 投石する少年を銃撃し、報道記者を狙撃し、パレスチナ人を排除した土地を接収して植民し続けてきたことには触れずに、である。イスラエルによる徹底した経済封鎖のために、食料も燃料も正規の経路で輸入することはできず、エジプト等からの密輸に頼る以外に生きる術がなかったパレスチナ人の苦境にも、もちろん言及することなしに、である。むろん、これらの行為は非人道的であるだけでなく、国連憲章や国連安保理決議にも反しているのだが、イスラエルを批判することは悪だと信じている欧米諸国からの支持を背景に、かの蛮族は公然とパレスチナ人に対する虐殺を続けてきた。
朝日新聞をはじめとして、日本のマスコミの多くはパレスチナ情勢について、著しく偏った報道を続けている。たとえばパレスチナ国家樹立まで「武装解除はしない」 ハマスが声明という記事では、ハマスが強硬に武装闘争路線を貫くことで和平が阻害されているかのような印象を与える報道がなされている。これは「イスラエルは信用できる」という前提に立った報道であるが、これまでにイスラエル政府がどれほど嘘をつき、アラブ人を欺いてきたか、どのようにアラブの民間人を虐殺してきたか、という歴史を知らない記者が書いたのであろう。この点については同記事の「コメントプラス」として川上泰徳氏がコメントを書いており、たぶん会員登録なしで読めるので、ぜひ読まれるとよい。
ガザについては、イスラエルと称する武装勢力の高官や、そのスポンサーである某合衆国の首領などが「住民のパレスチナ域外への移住案」に言及している。朝日新聞などは、これについて淡々と「事実」を書いているために、それも一つの「やむをえない選択」であると勘違いする者が、無知な読者の中にはいるのではないか。NHK は、これについてイスラエル ガザ地区南部に住民移住計画戦争犯罪などと批判もと批判的な声も伝えているが、かなりトーンが弱い。
言うまでもないことであるが、軍事力を背景に地域住民を脅迫し移住を強制することは、典型的で明確な戦争犯罪である。BBC は、この公然たる戦争犯罪計画を批判する声を比較的詳しく報道しており、日本語訳もなされているので、よくわかっていない人は読まれるとよい。
我が母校たる京都大学は、ウクライナから逃亡してきた学生を積極的に留学生として受け入れている。そうした動きを、イラクやアフガニスタン、パレスチナ、ミャンマーなどでの事態に対して行ったとは聞いていないが、なぜウクライナだけが特別なのか。ウクライナは文明国であり学術水準も高いが、イラクやパレスチナの野蛮人は京都大学の学術水準に達していないとでもいうのか。なお、京都大学の学生や教員には人間としての良識を備えている者が少なからず存在するようである。