これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2013/11/17 四年生と三年生

名大医学科四年生には、優秀な人物が揃っているように思う。試験の成績だけでいうならば三年生の方が英才が多いとの噂もあるのだが、学生にとって重要なのは試験で点を取る能力ではない。

激しい受験戦争を勝ち抜いてきた学生の一部には、どうやら、勉強とは試験で点をとるためにやるものだ、というような誤解があるらしい。名大医学科の学生の中にも、「試験に出題される場所こそが、重要な箇所である」だとか「頭が良いとは、試験で高得点を得られることをいう」だとか、意味不明な妄言を発する連中がいる。

しかしながら、私は、そうした頭の悪い発言を現四年生がしている場面にほとんど、あるいは全く、遭遇した覚えがない。もちろん、私に遠慮して、そのような発言を慎んでいる可能性もあるのだが、現三年生の一部は、そうした遠慮すらなく堂々と上述のような発言をしているのだから、やはり、四年生は意識が高いといえるだろう。

試験の得点などは重要ではない、ということは、教授陣はよくわかっていらっしゃるし、講義などの際に、そのように説諭される方も少なくない。しかし、残念ながら教授陣の言葉は、必ずしも学生によく届いていない。そこで、同じ学生の立場から、教授陣に代わって学生に声を投げかけることこそが、我々編入生や再受験生が背負う道義的責任というものである、と、私は富山大学で教えられた。

私は、あまり三年生のことをよく知っているわけではないが、彼らの一部をみていて少し不安に思うことがある。すなわち、人生経験豊富な編入生や再受験生が、ひょっとすると、率先して「試験で点を取るための勉強」に走っているのではないかと感じられるのである。

杞憂であればよいのだが。


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