これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。


2014/01/22 勝利宣言

結果を出した以上、私には勝利宣言する資格があると思う。何に対して勝利したのかというと、「CBT 合格を確実にするために過去問をみたい」という誘惑に対してである。

どこの大学でも、医学部医学科では四年生の終わり頃に CBT という全国共通の試験が実施され、これに合格しなければ病院での実習を受けることができない。これはコンピューターを用いて 多数の問題のストックからランダムに選ばれた選択式問題を解くものであり、不正行為を行うのは比較的困難であるとされる。各人が異なる問題を解くことになるため、難易度等について補正を行った上でのスコアによって合否が判定されるのだが、CBT の実施時期や合格基準は大学によってマチマチであるらしい。

その成績表が、名古屋大学医学部医学科では、本日、各人に配布された。私の結果は、正答率 78.22, IRT 標準スコア 57.6, 学内での順位は 108 人中 59 位であった。学内平均正答率が 78.63 であるから、私は学内平均よりも少しだけ下だということになる。IRT 標準スコアというのは、2006 年度実施の結果に基づく「標準的な母集団」を用いて計算した偏差値のことであり、学務によれば、名古屋大学の場合はスコア 40.0 以上で合格となるらしい。

以前にも書いたように、過去問をみて試験対策することは学問の本道から外れている、と、私は考えている。従って、友人が過去問を眺めているところに横からちょっかいを出したことが何度かあるのを除けば、自分で過去問をみることはしなかったし、特に試験対策は講じなかった。このため、CBT の難易度がどの程度であるのかも、自分がどの程度得点できそうなのかもわからなかったし、どのような分野からどのような問題が出題されるのかもサッパリ知らなかった。ひょっとすると不合格になるかもしれぬと、内心ではガクガクブルブルしていたし、その時は諦めて過去問に手を出そうと腹を括っていた。

蓋をあけてみれば、余裕の合格である。今こそ、声高に宣言したい。過去問など、いらないのだ。

さらに言えば、たぶん、これは私が優秀だから過去問不要だったのではなく、大半の学生は、実は過去問や予備校などを必要としていないのだと思う。周囲や先輩が皆 Question Bank を解き予備校の講義を受けているからといって、流されすぎである。ビビリすぎである。度胸が足らん。

(2014/01/23 追記) 厳密にいえば Question Bank は過去問ではないのかもしれないが、大差ないと思われるので、敢えてこだわらない。

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