これは http://mitochondrion.jp/ に掲載している「医学日記」を、諸般の便宜のために、 1 記事 1 ファイルとして形成し直したものです。 簡単なプログラムで自動生成しているので、体裁の乱れなどが一部にあるかと思われますが、ご容赦ください。
医学とは直接関係ないが、イラン情勢について書いておこう。過去にも書いたが、イラン政府は、いわゆる核開発問題について、何ら国際法や道義に反する行為はしていない。朝日新聞の記事などでは、イランが、いわゆる核合意の制限を破った、と主張しているが、そもそもウラン濃縮を含む核開発自体は、核不拡散条約でも認められた正当な権利である。核兵器の開発には制限があるものの、原子力発電技術の開発は、全ての条約加盟国に認められているのである。イランの場合、その権利の一部を米欧の要求に従って放棄をする代償として、自由貿易などを保証するのが、いわゆる核合意であった。ところが米国がこの合意を反故にし、欧州もこれに準じて自由貿易を制限し始めたのだから、イランが従来の権利を主張するのは当然のことである。繰り返すが、ウラン濃縮の技術開発や実施自体は、条約において禁止されていない。
いうまでもなく、米国がイラクにおいて、イラク政府の合意なしにイラン軍人を殺害したことは、国際法上も道義上も、認められない。あるいは、それが「自衛のため」として認められるならば、イラク内の米軍施設に対してイランが「自衛のため」に攻撃することも、当然、許される。
日本には、なぜかイランを無法者扱いする意見が少なくないようであるが、一体、イランがいかなる無法を行ったというのか。また、米国がいかなる合法的行動をとったというのか。